消防職員のための安全管理1【安全管理とは】
消防職員のための安全管理
皆さんこんにちは安全管理の鬼の健二です。
消防職員であれば消火戦術や救助技術だけでなくその前提として必ず勉強するのが安全管理です。
なぜ安全管理が重要なのか考えたことありますか?僕はこう思います
「絶対に殉職者を出さないため」
消防という職業柄、普通であれば人が近づかないような危険な災害現場で活動するのか消防職員です。
危険でないということはつまり安全ではないということですね。
つまり、自分の命を守るため、仲間の命を守るため、そして住民の命を守るために安全管理は学ばなくてはならないのです。
安全管理についてはこれからも随時記事を更新していきたいと思いますが、今回はその触りの部分基本的な考え方について書いていきたいと思います 。
消防業務と安全について
消防業務における安全管理とは何であろうか。
安全という言葉をどのように捉えどのように安全管理を推進していけばいいのだろうか。普段の生活において安全という言葉があまりにも身近であるが故に突き詰めて考えることはあまりないと思います。
実際に消防職員であっても消防活動に安全管理が当たり前にあるがゆえに安全について漠然に捉えている方が多いのかもしれません。
しかし実際に安全という言葉には明確な定義が存在しません用語辞典で調べると「安らかで危険のないこと」「物事が損傷したり危険を受けたりするおそれがないこと」等と説明されており表現が抽象的です。
考えてみればわかると思いますがこの世に絶対安全とういものはは存在しません。日常生活でも交通規則に従って道路を歩いていても車が突っ込んでくるかもしれない、突風で飛んできた飛来物に当たるかもしれない、料理中にキッチンで包丁落として足に刺さるかもしれないなど日常には様々な危険が潜んでいます。しかし家から一歩も外に出て暮らしていくということは通常不可能ですし、はさみや包丁、カッターを一切使わないという人もなかなかいません。安全を語るにはまずこのことを認識することが必要です。
ハーバード大学のローレンス教授という方が安全についてこのように定義しています「許容限度を超えないと判断された危険」つまり、安全とは危険に対する 概念であり、多かれ少なかれ危険が存在する状態のことを言ってるということです。
消防職員の任務を考えてみても、火災現場が危険であることは事実ですがその「危険度が許容される限度」であるのか「許容限度を超えてるのか」の判断がされなければ消防活動を行うことはできません。
ここで、許容限度を超えないとありますが、それを決めるのは一人一人の人間であり普遍的じゃなく個人の経験や知識、考え方によってその限度は左右されます。
同じ消防職員でも階級、現場経験、熟練度、性格等の様々な用途により安全に対するものさしが変わってくると思われます。
しかし大前提として消防における安全管理とは限りなく危険な状況下で隊長が部下隊員に怪我をさせないように自らの経験と知識、状況判断能力を駆使してコントロールすることであり隊長も隊員も自ら怪我をしないよう自分をコントロールすることだといえるでしょう。
私が教わった安全管理に対する考え方
消防において、全国の消防職員が災害活動を行う上での心構えとして
「火の中、水の中、わが身を省みず飛び込め!」であったり
「死んでも筒先は絶対に離すな!」という
決死の覚悟で活動に当たるという教え、いわゆる「火消し魂」が歴代受け継がれてそれが武徳とされる時代が続いていたといわれています。
実際に今でも「死んでも筒先は離すな!」と私は指導されてきましたがそもそも私から言わせてみれば「まず死ぬな」それが第一だと思います。
たしかに放水中の筒先を放してしまうと筒先が暴れて二次災害の恐れがあります。
その意識付けをするうえで使われている言葉であればいいのですが、、、
まず放水に限らず「許容限度を超える危険」な状態であれば消防職員であってもその場での活動は諦めて別の戦術を考えるしかありません。
「自分は死んでも要救助者は必ず助ける」
そんな考えは正直お話になりません。
「絶対救って、絶対に帰る」
消防職員は勤務を終えて自宅に帰り「ただいま!」というまでが仕事だと私の尊敬する上司は言っていました。
無謀な活動ではだれも助けられないし、自らの命を落とすこともあります。
要救助者を助け、自分も帰るために安全管理は必須なのです。
【安全管理とは】まとめ
今回は安全管理についてのさわりの部分を書いていきましたが少し論文チックになってしまって読みづらくなってしまったのでここで一旦切りたいと思います。
安全管理には、ヒューマンエラーやその要因、各災害における安全管理など深い部分が多いため今後また記事を更新していきたいと思います。
おわり