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私が教わった火災防ぎょ活動での留意点 知らないと危険な基本事項20項目! 【前編】

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火災現場には危険があふれている

自分、仲間、要救助者を守る留意点20【前編】

 

 

 

こんにちは、火災出動をすると下痢になる健二です。

 

火災に出ると水を大量に浴びたり大量に水分を摂取するせいか必ず下痢になります。(笑)

 

夏場は汗と水でびったびたのびっちょびちょ。

 

冬は全身濡れて極寒のガクブル((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

(私は途中で指が動かなくなった時がありました、、)

 

そんな過酷な現場で国民の生命、身体及び財産を火災から保護するために火災の被害を軽減するべく活動する私たち消防士ですが、火災現場には日常にはない危険な状態があふれています。

 

どんな危険が潜んでいるのかを活動する人間がわかっていないと火災現場での事故は軽減できません。

 

事故や隊員の受傷を防ぐために私が消防士1年目の時に隊長から教わった「火災防ぎょ時の留意事項20項目」がありますので今回はその20項目を簡単な解説と一緒に紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

火災防ぎょ時の留意事項20【前編】

 

 

 

 

1 三連はしご架梯時、放水でぬかった土の地盤は軟弱で、積載はしごを架梯する場合、基底部が沈下したり、滑ったりするので十分注意する。

 

 

火災防ぎょ活動時に2階への進入や高所からの放水のため使用することが多い三連はしごですが、三連はしごを使用する際に一番の危険事項が「はしごの転倒」です。

特に火災現場でアスファルトやコンクリート上ではなく土の上ではしごを架梯する場合は放水のため土がぬかって地盤が弱くなっている場合が多いので転倒リスクが高まります。

架梯位置の検討や確保員の増強、はしご上部での固定結着等をして転倒防止に努めましょう。

 

 

2 ガラス窓を破壊して進入する場合は、窓枠にあるガラスをすべて取り除く。

 

 

火災防ぎょ活動時に開口部を確保して進入するためにカラス窓を破壊する場合は、窓枠のガラスをすべて取り除きましょう。

進入時に防火服等に引っかかって個人装備の損傷や受傷をする恐れがあります。

また、ガラス窓等の破壊時は周囲や下部に人がいないことを確認するとともに必ず周知して2次災害防止に努めましょう。

 

 

3 玄関だけが入り口ではなく、現場を一巡し他の開口部を確認する。

 

 

火災現場では固定概念を捨てましょう。常識的には出入口は玄関ですが、災害現場では常識なんて関係ありません。

要救助者情報があったときに玄関から進入して検索するという新人職員にありがちな固定概念ですが他の開口部から目視で要救助者を確認できる場合もあります。

基本的には隊長の仕事ですが「現場を一巡して確認する」という活動があることを覚えておきましょう。

 

 

4 外部から建物内に進入する場合は、とび口等で足元の強度を確認する。

 

火災現場の建物内では熱による炭化などで足場などの木材がやせ細っている場合が多々あります。

不用意に建物内に足を突っ込むと床が抜けて受傷する恐れがありますので建物内に進入する場合は足元の強度を必ず確認しましょう。

 

 

5 屋根には登らないのが原則であるが、やむを得ない場合は安全管理に注意する。

 

足場の悪い高所での活動は危険です。原則避けましょう。

また、延焼中の木造建物の屋根に登るのはご法度です。焼け落ちて転落する危険性が高いです。

 

 

6 屋根からの放水時、ホースラインを蛇行させ、隊員は棟瓦をまたいで腰かけて放水する。

 

 

 

屋根上でホースラインが直線だと屋根の傾斜方面に重力がかかり放水中の転落リスクが高まります。

屋根上で放水をする場合は、ホースラインを蛇行させなおかつ屋根上で一番安定する棟瓦をまたいで放水することが望ましいでしょう。

 

 

 

7 火災後期で建物内を歩くときは隅を歩くこと。

 

4の追加補足になりますが火災が起きた建物の床は非常に抜けやすいです。

特に床の中心側は抜けやすいため、建物内を歩く場合は隅を歩きましょう。

金魚すくいのポイと同じですね。

 

 

8 木造2階建の屋内進入は容易に進入しない。

 

 

出火点が3階以上でない限り木造建物の2階への延焼速度はかなり早いです。

「床の抜け落ち」や「高温」「煙に巻かれる」リスクが非常に高いので注意しましょう。

1階であっても2階の「床の抜け落ち」によって下敷きになる危険性が非常に高いので容易に進入するのは避けましょう。

 

木造2階建住宅の火災で屋内進入中に建物が倒壊して下敷きになり殉職者が出た事例もあります。

 

 

9 屋内進入時は退路を確保する。

 

 

基本中の基本当たり前のことですが非常に大事です。

活動中に建物等の倒壊によって退路が断たれる場合もないわけではありませんので建物状況の管理体制を厳重にするとともに、緊急脱出を頭に入れて活動しましょう。

当たり前ですが確保ロープなしで屋内進入などありえないです。

↑ 確保ロープなしで進入して死にかけた方から教わりました。

 

ABC(あたりまえのことを ぼんやりせずに しっかりやる)を徹底しましょう。

 

 

10 人命検索は閉まっている扉を必ず開けて確認する。

 

 

濃煙に包まれている建物内では視界が悪く目視では要救助者だけではなく扉もわからない事が多々あります。

要救助者はもちろんですが閉まっている扉を見逃さないよう五感を使える限り使って検索をしましょう。

(火災現場での検索では視覚は悪いです。嗅覚を使ったら倒れるでしょう。味覚は当てになりません。検索活動では聴覚と触覚を研ぎ澄ませて活動しましょう。あとは経験知識から来る第六感!)

 

 

 

 

 

 

 

今回は火災現場での留意事項20項目【前編】ということで10項目を紹介させていただきました。

 

危険な火災現場で救える命を救い自らも受傷をしないためにしっかりと頭に入れておきましょう。

 

火災現場での留意事項20項目【後編】はこちら⇩⇩

 

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