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【消防の資機材紹介】現役若手消防士が東京国際消防防災展に行ってみた2

 

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【消防の資機材紹介】現役若手消防士が東京国際消防防災展に行ってみた2

 

前回記事はこちら⇩⇩

 

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こんにちは健二です。

 

今回が前回に引き続き東京国際消防防災展で展示されていた資機材たちの紹介を行っていきたいと思います。

 

 

 

目次

 

 

 

資機材紹介その2

 

 

 

シゲマツ 空気呼吸器 ライフゼムA1-12

 

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まず1個目はシゲマツ社製の新型の空気呼吸器です。

 

シゲマツ社は主に防塵マスクや防毒マスクをはじめとする呼吸保護具を開発・製作・販売をしてい会社でシゲマツ社の製品の中でもライフゼムシリーズは国内の空気呼吸器でトップのシェアを誇ります。

(ベテランの消防職員の人の中で空気呼吸器のことを違う製品でもライフゼムと一貫して呼ぶ人がいるくらいです、、笑)

 

そんなライフゼムシリーズの新型の製品がライフゼムA1-12です!

 

こちらの空気呼吸器はハーネス(ボンベを取り付けたり背負う部分)の軽量化をはじめとする改良はもちろん面体もとても扱いやすいです。

 

実はライフゼムA1-12は2016年の大阪国際消防防災展で発表されていたのですが、僕の所属する消防本部ではライフゼムからドレーゲル社製の空気呼吸器にシフトしていっているのでライフゼムA1-12をみたのは今回が初めてだったので紹介させていただきました(笑)

 

 

ドレーゲル社の新型の面体には音声通信装置(無線機能)が付いたものが販売されていますが、 現在シゲマツ社では視界に特化した面体を開発中とのことです。

 

面体のアイピース(透明の部分)が大幅に広くなり活動のしやすさが向上されるのではないかと思います。

 

実際に試着してきて非常に感動したのですが、感動しすぎて写真を撮ってくるのを忘れてしまいました(笑)

 

 

モリタ AIRCORE(タービン式消火装置)

 

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僕はこれを発見したときに思いました、

 

 

何だこれは!!と。

 

 

なんとこちらは送風ができるタービンがついた放水銃だったんです!

 

こいつが開発されたことがどれだけすごい事かといいますと、

チーズインハンバーグを開発したくらいすごい!(わかりずらい)

 

 

簡単に説明しますと、火災の時に多く発生して隊員や要救助者に被害を及ぼすのは煙と熱です、煙に関しては視界もさえぎられてしまうので活動障害になりますね。

 

一般住宅の建物火災などであれば普通のノズルで噴霧注水(棒状ではなく広角でミスト状の放水)をすれば気流が発生して排煙ができないことはないのですが、工場火災やトンネル火災などの大規模火災現場では普通のノズルでは不可能です。

 

大規模火災現場での排煙をするために大型ブロアー車を保有している消防本部もありますが送風だけですと、熱気と煙は排出することはできますが、空気も一緒に送っていますので場合によっては火勢が拡大してしまうこともあります。

 

しかし!モリタ社のAIRCOREを使用すると送風と一緒に放水もできるため、煙と熱気を排出しながら消火活動までできてしまうのです!!

 

しかも、このAIRCOREの能力がこれまたすごい。

 

最大送風能力 150,000m/h(秒速約30m)⇒台風並み

 

最大放水能力 3,500L/min(一般的なポンプ車は最大2,000L/min)

 

という並外れた能力を持っています。

(ちなみに低速ですが走行もできます)

 

 

これがどれだけすごいかというとフードファイターが食べきれないほどのでかいサイズのチーズインハンバーグくらいすごいです。

 

 

AIRCOREはとんでもないです、、笑

 

 

※ちなみに自走式大量噴霧放水大型ブロアー車と呼ばれる送風と放水ができるまたまた兵器級の車両が存在します。

 

 

S.T.Japan CBRNeシステム

 

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「これはやばい、、」

 

 

これを発見した瞬間にこのシステムがなにを示しているのかわかりました。

 

このシステムは主にCBRNEと呼ばれる特殊災害が発生したときに活躍するシステムなのですが、それがかなり画期的なのです!

 

※CBRNE(C...chemical 化学 B...biological 生物 R...radiological 放射性物質 N...nuclear 核 E...explosive 爆発物 が起因となる特殊災害を表す総称)

 

 

もしこういった特殊災害が発生した場合は2次災害やさらなる負傷者を出さないために立入を制限する警戒区画をの設定(zoning ゾーニングといいます)や、その区画を考慮して要救助者の救出方法、救護所の設定等、物質によって汚染されてしまった要救助者・隊員の除染のためのテント設営等をしなくてはいけません。

 

基準によって安全な距離などは定められていますが、地形や風向き、大規模な建物等の障害物によって安全な場所は変わってきてしまうので、それぞれを把握する必要あるのです。

 

しかし、このシステムを利用すればそれが一瞬でわかってしまうのでそれだけで活動が円滑になることがわかります。(地図はGoogle mapを使用しているとのことです)

 

しかもこのシステムはスマートフォンにもインストールできるようなので現場に近づいている隊員からの状況報告が無線機を使わなくてもスマートフォンでできてしまいます。

 

写真等もその場で共有できるようです!

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(※画像が乱れていますがご了承ください)

 

 

こちらのシステムは現在国際線のある千葉県成田市で導入されているようですが、これからは規模の大きい市町村や政令指定都市でも導入されていくかもしれませんね!

 

 

 

まとめ

 

 

今回は消防職員が普段使いするような資機材から、めちゃくちゃ強力な消火資機材、最先端の特殊災害対応システムを紹介させていただきました。

 

東京国際消防防災展では新型の車両の展示も行われていたので次回はそちらの紹介をしていきたいと思います(^^)/